ボツワナの伝統バスケット
先日、サファリの合間に、お客様とボツワナの伝統的なバスケットづくりを体験しました。
教えてくれたのは、オカバンゴ・デルタ周辺の村から来た女性たち。
そう、ボツワナを代表する手工芸品のひとつが、「ボツワナバスケット」です。
私にとって、バスケットはあまりにも身近な存在だったため、これまできちんとご紹介することを忘れておりましたが、改めてこのボツワナらしい工芸品をご紹介したいと思います。

旅先に来ると、「ここでしか買えないもの」を探したくなりますよね。
よく、「ボツワナならではのお土産品はなんですか?」と聞かれることがありますが、実は、「ボツワナ産のお土産」はそれほど多くないのです…。
ですが、
そのような中、胸を張って「ボツワナ産!」と言える品が、この伝統的なバスケットです!
周辺国でも似たようなバスケットは作られていますが、ボツワナのバスケットは、細かな編み目、美しい模様、そして丈夫さが特徴。その品質の高さから、南部アフリカでも「ベストクオリティ」とも言われています。
そもそも、何に使っていたの?
伝統工芸品って、実はその土地の人々の「暮らし」から生まれたものが多いんですよね。ボツワナのバスケットも、昔から生活に欠かせない道具のひとつでした。
たとえば、主食のひとつである、ソルガムやメイズ(トウモロコシの仲間)。村では、穀粒と、もみ殻などを分ける「風選」(ツワナ語で Leselo)という作業が行われてきました。

また、食料を保存するために使われる、壺のような形をしたバスケットもあります。
つまり、バスケットは単なる「飾り」ではなく、人々の日々の食卓や暮らしを支えてきた必須アイテムなのです。そんな暮らしの道具が、今では美しい工芸品としても人気を集めています。
材料は、ご想像のとおり、草!
すでにご想像がつくかと思いますが、素材は乾燥させた草になります。主な材料となるのは、モコルワネ(Mokolwane)と呼ばれるヤシの木の葉。
特にオカバンゴ・デルタ周辺では、身近な植物として見ることができます。

葉の中に通る繊維質がこれまた丈夫なので、鳥の巣作りにもよく利用されます🐦
葉を細く裂き、乾燥させ、一本一本を編み込んでいきます。必要に応じて染めて色を付け、それらを上手く使って模様を編み込んでいきます。
ボツワナバスケットは、特に北部で盛んにつくられていますが、なかでも、モコルワネが多く生息するオカバンゴ・デルタ周辺の村々では、女性たちが見事な技術を受け継いできました。その技術は、長い年月をかけて、母から娘へ。そして、コミュニティの中で受け継がれています。
先日出会った20代の若い女性も、見事な腕前。世代が変わっても、その技術はしっかり健在のようです。
バスケットにはどんな模様が編み込まれているの?
自然な草の色をベースに、染めた草を巧みに織り込んで、さまざまな柄を作り出します。ただの幾何学模様を描いているように見えますが、実は彼らの身の回りの風景から得られたイメージが盛りだくさん。
もちろん下書きは無しです。

模様は主にホロホロチョウやシマウマなど身近な動物関連が一般的です。まず、見ただけでは、なんの絵なのか判断がつきませんが(笑)
他にも、ボツワナの伝統的な家屋の茅葺き屋根を内側から見た模様などもあります。
そして、「カメの膝」「パイソンの後ろ姿」「キリンの涙」などというタイトルの、かなりユニークなイメージの柄まであります。
カメの膝??
とにかくそこには、この土地で暮らす人々が見てきた自然や風景、そして日々の生活が編み込まれているのですね。
お待たせしました。それでは、実際に編んでいるところを見てみましょう。
実は、このお客様、クラフト作業がとっても得意な方なんです。
それでも最初は「ちょっと難しいかも?」という様子でしたが、コツをつかむと、みるみる上達。最後にはすっかり編み方をマスターされていました。
そしてもちろん、ご自身が編み込んだ思い出の作品をお買い上げ♪
「……さて、何を入れよう?」
私自身、最初はりんごくらいしか思いつきませんでした(笑)。
しかし最近では、旅先から持ち帰りやすい小さめのサイズも多く見かけます。アクセサリーを入れてみたり、小物入れにしてもいいかと思います。温かみがある素材がお部屋に加わってやわらかい印象になります。
壁に掛けて、絵画のように飾ってみるのも素敵です。センスのよいロッジやホテルでは、インテリアとして飾られているのをよく見かけます。

でも、なんといっても、ボツワナの草を使い、ボツワナの女性たちが、ボツワナの風景を編み込んだバスケットは、旅の記憶までぎゅっと編み込まれた、ボツワナならではの最高のお土産になるでしょう。